
不動産売却とは?知っておくべき基本内容と取るべき行動・心構え

ひょんなことから大事にしていた不動産が不要になり、調べてみると中古でも売却できるらしい…
多くの方は人生に一度あるかどうかの不動産売却の機会が急に降りかかってきて、何から始めれば良いのか分からないことと思います。
ただ、不動産売却は意外と簡単!突き詰めて考えれば、この2つをやればいいだけです。
- 不動産売却の流れなど、基本的な内容を知る
- 中古の不動産を買う人の気持ちを想像して、買ってもらうための準備をする
これから解説する内容が、不動産を売却したい人のヒントになれば幸いです!
→不動産売却の方法ガイド|売る前に読むべき鉄則!成功してる人の共通点【2024年最新】

不動産売却の前に考えたい!「不動産は一生に一度の大きな買い物」って本当?
今でも、「家は一生に一度の大きな買い物」というイメージがあります。
確かに、不動産は相場が数百~数千万円ですから、ほとんどの方にとって人生最大の買い物というのは間違いありません。
ただ、一生に一度かと言われると、必ずしもその通りではありません。
“不動”産という言葉の通り、定期的なリフォーム・メンテナンスは可能ですが、家族構成の変化や転勤に住まいは合わせてくれません。
自分の希望や環境に合わせて不動産を売買するのは、1度買った不動産に固執し続けるより賢いやり方と言えます。
不動産売却を個人がやるのは高いハードルではない
上記は、国土交通省が平成29年取引分のアンケートをグラフ化したものです。
これを見ると、個人が売主の土地取引が7,086件で全体の66%、法人の2倍近くの取引量ということが分かります。
理由は人によって様々ですが、その約半数は住み替えのために売却をしています。
不動産売却は必ず人生のプラスになる
不動産売却をおこなう人の中には、離婚や借金返済など、ネガティブな理由の人も少なくありません。
ただ、不動産売却という行為自体は決してマイナスではありません。
例えば離婚をきっかけに、せっかく購入した不動産を手放さなければいけない方もいます。
この時、不動産売却をしっかり成功させることができれば、新生活にかかる十分な資金をゲットして気持ちよく再スタートを切ることが出来ます。
一方で自暴自棄になり適当に処分してしまえば、いつまでも負の感情を引きずることになってしまいます。
不動産は一般人が持ちうる最も高額な資産ですから、高く売ることが出来れば十分人生をやりなおすことが出来ます。
住まいに違和感を持ったら住み替えを検討しよう
住まいを建ててから年数が経てば、ライフスタイルや家族構成の変化が必ず起こります。
この時、誰も何も言っていないのに、我慢して以前の住まいに住み続けている方は少なくありません。
今の住まいを売却して、その代金を頭金にしてより今の家族構成や環境にあった新居を購入し、快適な生活を手にしている方は多いです。
もし今の住まいに違和感を持ったら、不動産売却の可能性も考えておくことをおすすめします。
→住み替え成功ガイド!不動産の買い替えで後悔しないポイント・注意点を徹底解説不動産売却の前に基本的な知識を身に着けておく必要がある
不動産売却には多くの専門的なルールがあります。
このルールを知っておかないと高く売れない、売れ残ってしまうという事態に陥ってしまうので、事前に確認しておきましょう。
ここからは、不動産売却の前に身に着けたい、基本的な知識を紹介します。
基本➀不動産売却の流れ
不動産売却って何をすれば良いの?という疑問を持ったまま、手続きを進めてしまうのは危険です。
その前に、ざっくりで良いので不動産売却の流れを知っておきましょう。
不動産売却の流れは、大きな流れに分けると以下の5STEPとなります。
- 業者に相談・査定依頼
- 査定結果で絞込み
- 媒介契約
- 販売活動・内覧
- 契約・引き渡し
そこから更に作業を分けていくと、計8つの手続きに分割できます
基本②不動産売却にかかる期間
不動産売却にかかる期間は、平均で3~6か月となります。
それぞれの手続きでかかる時間の目安は、以下の通りです。
手続き | 売却検討開始からかかる時間の目安 |
---|---|
【STEP1】業者に相談・査定依頼 | ~約1.2週間 |
【STEP2】査定結果で絞込み | ~約2週間から1か月 |
【STEP3】媒介契約 | ~約1か月から2か月 |
【STEP4】販売活動・内覧 | ~約2か月から5か月 |
【STEP5】契約・引き渡し | ~約3か月から6か月 |
ただしこれはあくまで平均の期間なので、1、2か月で売れる場合もあれば、1年経っても売れない場合もあります。
立地 | 売却にかかる期間の目安 |
---|---|
首都圏・都心 | 2~3.5か月 |
地方の大都市 | 2~5か月 |
一般的な規模の都市 | 3~6か月 |
郊外の小規模都市・山間部・農村など | 6か月~1年以上 |
基本的には都市部の築浅物件ほど早く売れやすく、郊外の築年数が古い物件や農地などは売れ残りやすくなります。
自分の売りたい不動産を客観的に見て、スケジュール設定をする必要があるでしょう。
基本③不動産売却の相場
不動産の売却価格は、賃貸物件や新築の注文住宅についている価格とは少し違います。
市場価格と表現されることもあるように、買う人がいくらで欲しいか、経済状況・市場の状況はどうなっているかによっても価格は変わってきます。
不動産売却をする際は、「だいたい○○万円で売れる」という固定観念を持たず、最新の相場を調べてみましょう。
基本④不動産査定とは?
不動産の売却価格の見積もりを不動産会社に出してもらうことを、不動産査定と言います。
不動産売却は基本的に、この金額をもとに売り出し価格が設定されています。
また、各社の査定価格は、どの不動産会社と契約するか決める上で重要な判断材料にもなります。
しかし一方で、査定価格は実際の売却価格と必ずしも一緒ではないので注意が必要です。
→不動産査定とは?評価されるポイント・査定額が決まる仕組みと査定の流れ・準備を分かりやすく紹介
不動産一括査定とは?
最近話題の査定方法が、不動産一括査定です。
不動産一括査定サイトに簡単な不動産の情報を入力すると、査定に対応する不動産会社が一覧で表示されます。
後は依頼したい業者にチェックを付けて、依頼をすれば査定結果を簡単に見比べることができます。
基本⑤媒介契約
査定結果が出たら比較をして、めぼしい業者を見つけていきます。
良い不動産会社を選ぼうと思ったら、単純に査定額を比較しても失敗してしまいます。選び方のコツは、こちらの記事をご覧ください。
→不動産会社の選び方を徹底解説!後悔・失敗しない業者選びのポイント
良い業者を見つけたら、媒介契約を結びます。
媒介契約とは、不動産会社に不動産売却を代行してもらう代わりに、成約時には代金の一部を仲介手数料として支払うことを定めた契約です。
→不動産売却時の媒介契約とは?専任媒介と一般媒介の違いとメリット・デメリットをわかりやすく解説
媒介契約を結ぶと、不動産会社は広告作成や販売営業を実施してくれます。
この時、売主は内覧準備を進めていきます。
媒介契約は大きく3つの方法があります。自分にあった方法を選びましょう。
基本⑤不動産売却にかかる費用・税金
不動産の売却価格はそのまま売主の手元に入る訳ではありません。
不動産売却では様々な税金・費用が発生するため、事前に計算をしておかないと予想より手残りが少なくなるのです。
不動産売却でかかる税金・費用は、仲介手数料、印紙税、登録免許税、譲渡所得税などが一般的です。
譲渡所得税が発生したら確定申告が必要
譲渡所得税は、不動産の取得費が売却費用を下回ると、その差額分に対して課税されます。
ただ、不動産は基本的に築年数の経過に応じて価値が減少していくので、譲渡所得税が発生するケースは多いです。
譲渡所得税は、翌年に管轄の税務署で確定申告をおこない、納付をおこないます。
確定申告は、会社員の方は特に未経験で戸惑う方が多いので、こちらのマニュアルを参考にしましょう。
→不動産売却時は確定申告が必要!申告の流れ・必要書類の書き方を完全ガイド【決定版】不動産売却に消費税はかかる?
多くの人が気になる点が、不動産の売却代金に消費税はかかるのかということです。
結論から言うと、土地や居住用不動産の売却代金に対して消費税は課されません。
その一方で、収益物件・事業用物件の売却では消費税が課税されます。
ただ、土地の売却などでも仲介手数料など、細かい費用に消費税がかかっているので注意が必要です。
基本⑥不動産登記とは?
不動産売却をおこなうと、不動産の所有者が売主から買主に変更されます。
この時に必要なのが不動産登記です。
不動産登記をすることで、公式に不動産の所有者が変更されます。
その他にも抵当権抹消登記など、不動産売却を安全に進めるには登記が不可欠です。
詳しくは、以下の記事をご確認ください。
ケースによって選びたい不動産売却の3つの方法
不動産売却をする多くの方は、仲介売却という方法をとります。
ただ、ケースによっては、仲介売却以外にも以下の3つの方法を活用することをおすすめします。
売却方法 | 不動産買取 | リースバック | 任意売却 |
---|---|---|---|
特徴 | 不動産会社に直接買い取ってもらえる | 住みながら家を売却できる | ローンの支払えない家も売却できる |
おすすめな人 | 早く売却したい人 | 不動産を手放したくない人 | 滞納に困っている人 |
不動産買取は、早ければ1週間以内で売却が済んでしまいます。
早く売りたい人におすすめですが、価格が下がってしまうデメリットがあります。
その他、売却後に賃料を支払って住み続けるリースバックや、住宅ローンが支払えない時にも不動産を売れる任意売却という方法があります。
一つの方法に捉われず、様々な可能性を模索していきましょう。
不動産売却の状況別ポイント
不動産売却の理由は人それぞれ。状況に応じて、売却の仕方やすべきことも変わってきます。
ケース別の不動産売却のポイントもしっかり把握しておきましょう。
相続不動産を売却するポイント
相続した不動産を売却する際は、まず相続登記が必要になります。
また、相続人全員が満場一致で売却に賛成することも大切になってきます。
相続不動産を売るポイントについては、こちらをご覧ください。
→相続した不動産を売るには?売却の流れ・手順と税金・注意点を徹底解説
共有名義の不動産を売却するポイント
複数人で相続した不動産や、夫婦共同で購入した不動産は、共有名義で所有されるので、持ち主が複数いる状態です。
共有名義の不動産売却は苦戦しがちなので、しっかり不動産会社を選ぶ必要があります。
→共有名義(持分)の不動産を売却する方法・流れを分かりやすく解説
ローン返済中の不動産を売却するポイント
ローン返済中の不動産も売却は可能ですが、引き渡す前に残債を完済することや、抵当権(担保)を取り外す作業が求められます。(抵当権抹消登記)
ローンを返済できないと売買が成立しないので、きちんとした計画設定と資金管理が必要です。
【物件タイプ別】不動産売却のポイント
不動産と一口に言っても、家・マンション・土地など、様々なタイプがあります。
どのタイプの不動産を売るかによってもポイントは変わってきます。
家売却のポイント
一戸建ての家は、築年数の経過による劣化が激しいというデメリットがあります。
築20年を超えるとかなり売却しにくくなるので、出来るだけ早く手続きをすすめることをおすすめします。
また、住み替えで売却と併行して新居を購入する際は、仮住まいへの引っ越し費用や家賃の支払いを出来るだけ減らすようなスケジュール調整が求められます。
マンション売却のポイント
マンション売却では階数や方角、部屋の位置など、独特の評価基準が加わるので注意が必要です。
また、管理組合が入っているなど複雑な部分もあるので、事前に整理しなければいけません。
→マンションを売る方法!売れないマンションを高く売却する流れ・成功のコツ
土地売却のポイント
土地は市街化区域や市街化調整区域など、どのエリアに属するかによってルールが変わってくるので事前に把握する必要があります。
また、土地の上に古い建物が残っている場合、そのまま売るか更地にして売るかの選択を要求されます。
不動産売却の良くある質問をおさらい
不動産売却を人生で2回以上経験する方は、不動産事業者を除けばかなり少数です。
多くの方は初めての不動産売却に対して疑問を抱えており、不明な点が多いまま手続きを進めることに不安を覚えています。
今回はそんな方のために、不動産売却で良く出る疑問を解決していきます。
不動産の売り方ってどんな方法があるの?
不動産の売り方は業者に依頼する仲介売却と業者に直接買い取ってもらう方法、不動産会社を介せずに個人間で売買する方法(個人間売買)などがあります。
その他にも不動産をオークションに出品する方法や、業者買取の後に賃貸借契約を結んで住み続けるリースバックなどがあります。
不動産を売る前にまずすべきことは何?
不動産を売る前にまずすべきことは、大まかな相場を知ることです。
現状の物件の大まかな価格帯が分からなければ、不動産会社の算出した査定額が高いか低いかを判断することも出来ません。
不動産ポータルサイトで絞込検索をして、類似の条件を持つ物件の価格をチェックしてみましょう。
不動産はいつ売ると高く売れるの?
不動産価格は景気状況に比例する傾向にあるので、好況の時期に売却をすれば、価格もその分高くなりやすいです。
ただ、日本全体が好況でも築年数が経過すれば、それに応じて価格は下がっていきます。
高く売りたいなら出来るだけ早く売る必要があります。
その他にも、不動産は春か秋に売却すると、会社の異動や進学で引っ越す方が多いので売れやすいと言われています。
不動産売却にかかる税金・費用はいくら?
不動産売却にかかる税金・費用は全て合わせて、売却代金の5~10%ほどだと言われています。
不動産が高く売れるほど費用も高額になりますが、手残りもその分多くなるので、敢えて安く売る必要はありません。
その他にも状況によっては解体費用やリフォーム代、境界確定費用などが発生するので、ケースによって価格は前後します。
不動産が売れない時はどうしたらいい?
不動産売却にかかる期間は平均3~6か月と言われています。
半年以上経っても売れない場合は、値下げをして成約率を上げるケースが多いです。
それでも売れない場合は、一旦売却をストップして様子を見るのも一つの手です。
長期間市場に出回っているせいで「売れ残り物件」というレッテルが付いてしまっていることも珍しくないので、購入希望者が一新されたタイミングで再度売り出すと意外に早く売れることも多いです。
仲介売却で売れない時は、業者買取に切り替えることで成約しやすくなります。
不動産売却で取るべき行動・心構え
不動産売却は、販売活動の多くを不動産会社が担います。
そのため、不動産会社に全て任せてしまう方も少なくありません。
しかし、不動産売却を成功させるには、売主自身もノウハウを身に着けていく必要があります。
知らない用語や書類が聞こえたら、まず調べてみることから始めてみましょう。
周囲から信頼される・モチベーションを引き出すことを心がける
いくら良い物件でも、怪しい人からは購入したくないと思うのが普通です。
まずは売主自身が言動・しぐさを見直して、信頼されるようにしましょう。
また、契約をしている仲介業者も人間なので、いつもクレームばかり入れていると、やる気がどんどんなくなってしまいます。
「この人のために高く売りたい!」と思わせるにはどうしたら良いのか、考えていきましょう。
不動産売却において、大手は宣伝力がある一方でドライさが欠点です。一方、中小は親身に対応しますが、情…